ハードウェアの記事をあまり書いていなかったので、初心者向けに複数回に分けてゲーミングPCのパーツの選び方比較検討の記事を書いていこうかと思います。
というわけで第1弾はCPUから。
1. 初めてのゲーミングPC用CPU選び:まず知っておきたい基本
ゲーミングPCを構成する重要なパーツの一つである「CPU(中央処理装置)」は、ゲームパフォーマンスに直接的に影響します。
選び方次第でゲームの動作が大きく変わりますが、予算や用途に応じて適切なモデルを選ぶことが重要です。
2. CPU選びの重要ポイント:ゲームに必要なCPUスペックとは?
CPUを選ぶ際には、コア数やクロック数、キャッシュ容量が重要です。
特に、ゲーミングでは高クロック数や大きなキャッシュ容量がフレームレートや応答性に影響を与えるため、バランスの取れたスペックを持つCPUが推奨されます。
コア数
コア数は、CPUが同時に処理できるタスクの数を示します。
6~8コアが一般的なゲーミングに適しており、12コア以上はマルチタスクや高負荷ゲームに有利です。
クロック数
クロック数は、CPUの処理速度を表します。
3.5GHz以上程度がゲーミンングとしては目安となり、フレームレートや応答性を向上させます。
クロック数が高いほど、リアルタイム処理がスムーズになります。
キャッシュ容量
キャッシュは、頻繁に使用されるデータを一時保存するメモリ領域です。
キャッシュ容量が大きいとゲームや高負荷作業中にCPUの処理速度が向上し、パフォーマンスが安定します。
3. 初心者におすすめ!IntelとAMDの特徴をわかりやすく解説
現状、CPU市場はほぼほぼIntelとAMDに二分されています。
Intel(インテル)
- 強み:IntelのCPUは、シングルスレッド性能が優れており、特にFPSやRTSといったシングルスレッド重視のゲームでその強みを発揮します。
- 弱み:Intel CPUは高性能ですが、コストがやや高い傾向があり、コスパ重視のユーザーには若干不向きな場合があります。
AMD Ryzen(ライゼン)
- 強み:AMDは多コア多スレッド性能に強みがあり、特にマルチタスクや、マルチスレッド対応ゲームにおいてその効果を発揮します。
最近注目されているRyzen X3D系は、3D V-Cacheテクノロジーを活用した大容量キャッシュによりゲームパフォーマンスを向上させるため、ゲーム性能だけで言えば他の上位CPUに匹敵することもあります。
またIntelと比較すると価格が安い傾向にあります。 - 弱み:シングルスレッド性能はIntelにやや劣ることがありますが、最近はその差が縮まっています。
4. CPUの選択肢に応じたおすすめモデル
ゲーミングPCに最適なCPUを選ぶには、予算や用途を考慮した上で、様々な選択肢を検討することが大切です。以下は、IntelとAMDの代表的なCPUに加え、ゲームに特化したRyzen X3D系も選択肢の一つとして紹介します。
Intel Core i5-14600KF
最新のゲームやクリエイティブ作業を行うミドルレンジのユーザーに最適。
高いシングルスレッド性能が強みで、幅広いゲームで優れたパフォーマンスを発揮します。
AMD Ryzen 5 7600X
多くのゲームとマルチタスク作業をこなすマルチスレッド対応のミドルレンジCPU。
ゲームとクリエイティブな作業をバランスよく楽しみたいユーザー向け。
AMD Ryzen 7 7800X3D
価格に対してゲームパフォーマンスが高く、フレームレートの向上を重視するゲーマーに最適な選択肢の一つです。
大容量キャッシュにより特定のゲームでのパフォーマンスが最大化しますが、非対応のゲームや他の作業ではイマイチな一面も。
ゲーム重視のユーザーが検討すべきCPUです。
これらのCPUは、いずれも最新のゲームや作業に対応できる高性能モデルです。
特にRyzen 7 7800X3Dはゲーマー向けの選択肢として有力ですが、予算やニーズに応じて他のモデルと比較して検討するのが賢明です。
5. 価格と性能を比較!予算別に見るおすすめCPUランキング
エントリーレベル(~20,000円)
- Intel Core i3-14100F
軽いゲームや基本的な作業向けの低価格モデル。 - AMD Ryzen 5 5600G
内蔵グラフィックス搭載で、グラフィックカードを使用せずにゲームを楽しみたいユーザー向け。
ミドルレンジ(20,000円~40,000円)
- Intel Core i5-14600KF
高いシングルスレッド性能を持ち、FPSなどの最新ゲームに最適。 - AMD Ryzen 5 7600X
マルチタスクやマルチスレッド対応のゲームに強く、コストパフォーマンスに優れた万能型。
ハイエンド(40,000円~80,000円)
- Intel Core i7-14700KF
シングルスレッドとマルチスレッドのバランスが取れており、ゲーミングPCのハイエンドモデルとして最適。 - AMD Ryzen 7 7800X3D
ゲームに特化した大容量キャッシュを持ち、特定のゲームで高フレームレートを実現できる強力な選択肢です。
ウルトラハイエンド(80,000円以上)
- Intel Core i9-14900KF
24コアを備え、シングルスレッド・マルチスレッド性能ともに優れており、特にゲーミングや高負荷作業において卓越したパフォーマンスを発揮します。高クロック数と最新アーキテクチャにより、ウルトラハイエンドクラスの最有力候補です。 - AMD Ryzen 9 7950X3D
128MBの大容量キャッシュを搭載し、ゲームだけでなく、動画編集や3Dレンダリングなどの高負荷作業にも対応できるウルトラハイエンドモデル。ゲームパフォーマンスを求めるユーザーにとっても強力な選択肢です。
ウルトラハイエンドのIntelとAMDの比較
CPU | コア数 | クロック数 | キャッシュ | 主な特徴 |
---|---|---|---|---|
Intel Core i9-14900K | 24コア | 最大6.0GHz | 36MB | シングルスレッド・マルチスレッドのバランスが取れた最強クラス |
AMD Ryzen 9 7950X3D | 16コア | 最大5.7GHz | 128MB | 大容量キャッシュ、ゲームや高負荷作業に強力なパフォーマンスを発揮 |
Intel Core i9-14900Kは、シングルスレッド性能とマルチスレッド性能の両方に優れ、幅広い用途に対応可能です。一方で、AMD Ryzen 9 7950X3Dは、大容量キャッシュにより、特にゲームパフォーマンスにおいて強みを発揮し、クリエイティブな作業でも高い処理能力を発揮します。
6. CPU選びで失敗しないためのコツ:将来の拡張性も考慮しよう
将来的にCPUを換装して使用することも検討する場合は、マザーボードのソケットが対応しているかも確認しましょう。
IntelのLGA1700ソケットを採用した第14世代Coreシリーズと、AMDのAM5ソケットを採用したRyzenシリーズは、将来的なアップグレード対応しやすい設計になっています。
また高性能なCPUを選ぶ際は、十分な冷却性能と電力を確保することが重要です。特にウルトラハイエンドモデルでは、性能を最大限に発揮するためにハイエンドクーラーや大容量電源が必要です。
7. おさらい:自分に最適なCPUを選ぶためのチェックリスト
ゲームに必要なコア数とクロック数を確認
ゲームごとに必要なCPU性能は異なりますが、一般的なゲーミング用途であれば、最低でも6~8コアが必要です。
シングルプレイヤーゲームやオンラインゲームでは、クロック数がフレームレートやゲームの応答性に大きく影響します。
一方で、マルチプレイヤーゲームやマルチタスク処理では多コアCPUが有利になるため、12コア以上を検討するのも一つの選択肢です。
自分がどのタイプのゲームを主にプレイするかを考慮して、必要なコア数やクロック数を確認しましょう。
IntelとAMD、そしてX3D系の違いを理解
Intelは、シングルスレッド性能が優れており、特にFPSやシングルプレイヤーゲームではその強みが際立ちます。
対してAMD Ryzenは、多コア性能が高く、マルチタスクやマルチスレッド対応ゲームに強いのが特徴です。
また、X3D系プロセッサは、特にフレームレート向上を狙うゲーマー向けで、3D V-Cacheテクノロジーにより大容量キャッシュがゲームパフォーマンスを強化します。ただし、全てのゲームや作業で必須というわけではなく、用途に応じた選択が求められます。
各メーカーの強みや特徴を理解することが、適切なCPU選びの第一歩です。
予算に合わせて最適なCPUを選ぶ
CPUは価格帯によって性能が異なり、エントリーレベルからウルトラハイエンドまでさまざまな選択肢があります。
予算が限られている場合、Intel Core i3-14100FやRyzen 5 5600Gなどのエントリーモデルでも、軽めのゲームは十分にプレイ可能です。
中間層のミドルレンジモデルでは、最新のゲームを快適に楽しむことができ、Core i5-14600KやRyzen 5 7600Xなどがおすすめです。
予算に余裕があり、ゲームとクリエイティブな作業を両立させたい場合は、Core i9-14900KやRyzen 9 7950X3Dのようなウルトラハイエンドモデルを選ぶのが最適です。
将来の拡張性を考慮した選び方
CPUは長期間使用するパーツの一つであり、将来的なアップグレードも考慮することが重要です。
IntelのLGA1700ソケットやAMDのAM5ソケットは、今後も新しい世代のCPUが登場する可能性が高く、互換性を保ちながらアップグレードが可能です。
特にハイエンドモデルやウルトラハイエンドモデルを選ぶ場合、長期的な使用を見据えて、冷却性能や電力供給の確保が重要です。
将来的なニーズを考え、適切な構成を選びましょう。
この記事を書いた人Wrote this article
ノア
元ゲームシナリオライターで、何やかんやあってQAに転向。現在はサービスアプリ開発の仕事をしつつ、趣味でゲームをしています。RPG、アクション好きで、アウトドア趣味はバイクとキャンプ。