多くの配信で取り上げられ一躍話題となった異変探し『8番出口』の続編、『8番のりば』が5月31日にリリース。
ストーリー的には続編なのですが、システム的にはだいぶ異なる作品となっていました。
以下、なるべくネタバレとならないようレビューを記載します。
「異変探し」から「異変解決」へ
前作『8番出口』のSteam上のジャンルはウォーキングシミュレーターでした。
異変があれば引き返し、異変がなければ進む。
それを間違えると最初(0番出口)に戻ってしまい、「さっきのどこに異変があった!?」となってまだ見ぬ、もしくは見過ごした異変に疑心暗鬼になっていく……というようなゲーム性。
多少の脅かし要素はあってもホラーかと聞かれれば微妙なレベル。
対して『8番のりば』では、異変がなければ進むというのは共通ですが、異変があった場合は対処をして「解決」しなければいけない。
ドアを開けた時点で「あ、これやばそう」と思っても引き返すことはできず、なんとかして進む必要がある。
脅かし系のホラーが楽しみたいのなら良作
ある種「逃げる」という選択肢が取れた前作と異なり、「立ち向かう」必要があるのが今作。
そして前作よりも異変の内容は凝っている印象だった。
とはいえ多くの異変は驚かし要素が大きいため、それが楽しめるのなら良作だろう。また前作『8番出口』ネタのファンサービスも多い。
雰囲気は良いが不親切さも感じる
今回もゲームを起動すると、プレイヤーは何の説明もなく車両内に放り出される。
それも前作『8番出口』なら許された。ゲームシステムが”歩く”だけで完結するものだから、基本のWASDで移動、Shiftで走る、マウスでカメラ操作、ESCでメニューという一般的なPCゲーの操作だけ把握していれば問題ない。
しかし今作ではドアを開ける、椅子に座るというアクションがマウスクリックに追加されているが、それについて説明はない。
私は10分ぐらいドアを明けられなかったよ……
また前作では異変がない場合でも正しく進めば次へ進んでいたが、今作は異変が発生した場合のみ次へ進む。ランダム発生する異変がないパターンがハズレ扱いなのだ。
更に初見殺しの異変も多く、対処を誤ればスタートに戻される。その正しい対応方法も探っていく必要がある。
真エンディングは『8番出口』ファンなら一見の価値あり
金額的にはワンコインでお釣りが来るゲームなので、前作ファンで軽度のホラーなら問題ないのなら楽しめるゲームという印象だった。
特に全ての異変を解決した後の真エンディングはぜひ見てもらいたい。
また、エンディングではないが3つ目の実績獲得が都市伝説の「きさらぎ駅」オマージュのような内容になっているので、気になる方はそちらも是非。
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ノア
元ゲームシナリオライターで、何やかんやあってQAに転向。現在はサービスアプリ開発の仕事をしつつ、趣味でゲームをしています。RPG、アクション好きで、アウトドア趣味はバイクとキャンプ。